野草食研究部『初セリ』
『初セリ』は『初競り』ではなく、
ここでは植物の『セリ』です。
散歩日和の金曜日
お嫁さんと近所を散歩しながら
私が川の土手でノビル調査をしていると、
近くで私を見守っていたお嫁さんに、
「何かあるの??」と
70代半ばの淑女お二方。
「 (ノビルを・・・と言っても
分かっていただけないだろうし・・・)
ちょっと野草を掘ってみてるんです 」
と、お嫁さん。
そして、黙々と地面に向き合っている
(この時、私はお二方の存在に気づいてない)
私の様子を見ながら、
「ノビルかぁ」
「あぁ、ノビルねぇ」
と、意外にもお二方のご反応。
「 先生! 」
程なくして私はその方々を
先生と呼ぶようになる。
なにせ、
花も咲いていなければ
茎も立っていない
根生葉(ロゼット葉)を指さして、
「これも食べられるよ」と、
からし菜、スイバ、ハハコグサ等を
教えてくださるのだ。
花が咲かなければ
種類の特定が難しい私には、
もう「先生」でしかない。
こんな出会いがあって、
なんと
セリが自生するポイントへと
連れていってくださるというのである。
聞けば、お二方は鹿児島・島根ご出身で
子供の頃住んでいらっしゃた地域では
山野草にあふれ、親御さんが日常的に
それらを料理してくださってたとのこと。
「野草の名前はあまり分からないけど
食べられる野草かどうかは分かる」と。
たとえ植物の名前に知識を持ち得たとしても
こういう経験には決して及ばないのだ。
とどのつまりは『経験』がものを言う。
これはとても大切なことなのだ。
改めての大きな学びである。
そんな経緯で、一時間半ほどを
4人で楽しく散歩しながら
ありがたく摘ませてもらった
野草研究部として初のセリ。
「セリはやっぱり白和えかな」
「麵つゆで簡単に美味しくなるよ」
お二方のおススメの食し方を伺い、
土曜日の晩には『初セリ』を白和えに。
すべてにおいて
「ありがたい、ありがたい」
そんな一日だった。
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