筆写 ~ 宮沢賢治『虹の絵具皿』より

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「う~ん・・・難しい・・・」

と思ってしまうのだけれど、

「難しい」と思わないのが良い。

だからと言って、

「簡単、簡単」と思う必要もない。

ひたすら単純に

「今の自分が書いた結果が、これ」

というだけなのだ。

目に見えて現れるのが結果で、

その結果を作る源となっているのは

自分自身の状態というに過ぎない。

「うまく書けない・・・難しい・・・」

というのは、

今の自分自身の状態に対する認識を

すっ飛ばして(あるいは無視して(笑))、

自分自身に対して

勝手な理想や期待を持ち込んでいる。

こうなると、着実に積み重ね、

そして発揮できるであろう力が、

そのようにできなくなってくる。

私自身を顧みての話だ。

筆写文章

ポッシャリ、ポッシャリ、

ツイツイ、トン。

はやしのなかにふる霧は、

蟻(あり)のお手玉、

三角帽子の、一寸法師の

ちいさなけまり

  宮沢賢治『虹の絵具皿』より

※ 筆写では、原文ひらがなの一部を

  漢字にしています。