筆写 ~ 萩原朔太郎『易者の哲理』より

この画像をクリックするとPDFファイルとして拡大表示します

~「運命」なんて便利なもので

 ぼんやりさせて ~

という、フジファブリック『若者のすべて』

の歌詞が頭に浮かんできた。

部屋の窓からは、

おそらく千羽を優に超えるムクドリの群れが、

夜明けとともに飛び立ち、

日暮れとともに舞い戻ってくる姿が

見えている。

彼らはいつも今日を生きている。

たとえ人生が宿命づけられたもので

あろうがあるまいが、

今日という日を丁寧に生きよう。

筆写文章

すべての現象を、それの生ずる

前提條件の因果にたづね、

偶然のない宇宙――宿命的、數學的に

決定された人生――を説明して(居る

のである。)

  萩原朔太郎『易者の哲理』より