筆写 ~ 泉鏡花『かくれあそび』より

泉鏡花『かくれあそび』をペン字で
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早いもので、1月も

もう終わろうとしています。

1月3日に筆写をUPして、

あっという間に3週間。

とはいえ、週末にはペンを手にして

います。 余計な念と力を抜いて、

感覚と対話しながらの練習です。

私においては、この

「感覚と対話する」

ということを大切にしています。

この感覚というものは、

あくまでその人の内に感じるもの

なので、それを言葉などで伝えたり

受け取ったりするのは、なかなか

難しいことのように思います。

現に書写や書道の教本などを見ても、

ペンや筆の扱い方、字形のノウハウに

ついては多く書かれているものの、

書する際の感覚について書かれている

ものはほとんど見受けられません。

つまりは、この部分については、

練習の中で自分自身で感じ取って

いくしかないのだと思います。

頭で考えて認識するものではなく、

心や体で感じていくものです。

そして、その繊細なものを感じ取るには

余計な念や力は抜いてあげることが

好ましいのですが、丁寧に念や力を

抜くことにもまた練習を要します(笑)

そんなふうに、グルグルグルグルと

フィードバックしながらの練習を、

2月以降も淡々と続けていきます。

筆写文章

かすかに、

「もう可(い)いよ、もう可(い)いよ。」

と呼ぶ声、谺(こだま)に響けり。

眼をあくればあたり静まり返りて、

たそがれの色また一際(ひときわ)

襲ひ来れり。

  泉鏡花『かくれあそび』より