筆写 ~ 与謝野晶子『今宵の心』より

硬筆筆写 与謝野晶子『今宵の心』より
この画像をクリックするとPDFファイルとして拡大表示します

「水の光流る」とは

涙のことなのでしょうか・・・

そんな心の有様でも紙に向かわれて、

鉄のように重たな筆が走らなくとも

その情景がまたこうして歌になって

しまう。

・・・さすがは歌人です。

筆写文章

何として青く、

青く沈み入る今宵の心ぞ。

指に挟む筆は鉄の重味、

書きさして見詰むる紙に

水の光流る。

  与謝野晶子『今宵の心』より