筆写 ~ 土井晩翠『希望』より

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『川』の字は

一画目とニ画目の頭を揃えて

書いているけれど、一画目の始筆で

インクがかすれたため、頭の位置が

違って見えている。

半ば以降、『り』の字をもう少し

伸びやかにしてみたいところ。

『半』の最終画も伸びやかに

書きたかったが、ペン先が臆した・・・

『希』の最終画で挽回(笑)

分析するとこんな感じだが、

(※ほかにも諸々ある(笑))

書いている最中には決して分析など

しないのが理想。

それがなかなか難しいのだけれど、

だからこその稽古なのだ。

筆写文章

流るゝ川に言葉あり、

燃ゆる焔(ほのお)に思想(おもひ)あり、

空行く雲に啓示(さとし)あり、

夜半の嵐に諫誡(いさめ)あり、

人の心に希望(のぞみ)あり。

  土井晩翠『希望』より