筆写 ~ 与謝野晶子『そぞろごと』より

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『歌』の字が三回出てきているので

それぞれに形を変えて書いてみている。

『省』の字も、多少の変化を。

こうして単調さを避けていく。

このように文章の中で

同じ字を、形を変えて表現するのには、

字典というものが役に立つ。

辞典ではなく【字典】に注意だ(笑)

行書体は、その形に自由度が大きいので、

実際に本屋さんで複数の字典を開いてみて、

ご自身の気に入った字風であることや、

行書体の形が複数書かれているものなどを

選ぶのがおススメだ。

筆写文章

わが歌の短ければ、

言葉を省(はぶ)くと人おもへり。

わが歌に省くべきもの無かりき。

また何を附け足さん。

わが心は魚ならねば鰓(えら)を有(も)たず、

ただ一息(ひといき)にこそ歌ふなれ。

  与謝野晶子『そぞろごと』より

※ 筆写では、五行目を省略