筆写 ~ 正岡子規『字餘りの和歌俳句』より

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筆写にあたって、

指をリラックスさせるのと同時に、

精神的な部分もリラックスさせる

のだけれど、それを意識するあまり、

逆にリラックスしきれないことが

ままある。

今回はそんな感じの一枚だった。

書き始めから書き終わりまで

双方とも完全なリラックス状態というのは

今はまだなかなか成し得ないのだけれど、

それらがどの程度で書き終えられたか

というのは、感覚としてよく分かる。

書くたびにその感覚を確認することが、

私自身の稽古で最も重視していることの

一つだ。

筆写文章

世人多くは曰(いわ)く

好んで字餘(じあま)りの句を爲(な)すは

徒(いたずら)に新を弄(ろう)し

奇を衒(げん)する者なりと。

何の言ぞや。

  正岡子規『字餘りの和歌俳句』より