筆写 ~ 樋口一葉『たま襻』より
肉体的に余計な力を抜く必要が
あると共に、精神的な面でも
余計な力を抜かないと、私の場合は
運筆(あるいは線)がのびやかに
なりません。
日常生活を送っていると、
精神面において本当に色々な力が
働いています。
本来働かなくてもよいであろう力が
たくさん働きます。
ゆえに「疲れた・・・」と感じるのも、
肉体的疲労以上に精神的疲労によるもの
ということもしばしばでしょう。
そんな、働かなくてもよいであろう力を
丁寧に抜く練習をしなければなりません。
書写の時だけ力を抜く、
なんて都合の良いことは
おそらくできません。
日常生活における己のあり様が
書写にも反映されます。
書写の稽古は日常生活のための
稽古でもあり、日常生活での稽古は
書写のための稽古でもあります。
心穏やかに生きるための稽古です。
筆写文章
をかしかるべき世を
空蝉(うつせみ)のと捨て物にして
今歳(ことし)十九年、
天のなせる麗質(れいしつ)、
をしや埋木(うもれぎ)の春またぬ身に
樋口一葉『たま襻(だすき)』より
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