筆写 ~ 久生十蘭『犂氏の友情』より

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過日、NHKで

日曜美術館 – 陶の山 辻村史郎

を見ていました。

NHK 日曜美術館のHPでブログにも

まとめてくださってます。

日曜美術館 – 辻村史郎の「器と心」

ご自身の求める茶碗に出会うため、

試行錯誤を繰り返しながら

数年かけてひたすら同じ茶碗を

焼き続けていらっしゃるお姿は、

とても興味深いものでした。

ただ、次々と焼き上がってきて、

そのたび横に置かれていく茶碗を見ても、

辻村史郎氏がそこに求めているものが

少なくとも私にはよく分かりません。

「どれも同じように見えるけど

何がしっくりこうへんのやろなぁ?」

と言う私に、お嫁さんは

「そのセリフ、字を書いてるときの

あなたにそのまま返すわ!」

と切り捨てられてしまいました(笑)

筆写文章

先生は、道徳は進歩するものか

退歩するものかという、一見、

迂遠(うえん)な学問に憂身(うきみ)を

寠(やつ)していられるのである。

  久生十蘭『犂氏の友情』より

※犂(カラスキー)氏