筆写 ~ 水野仙子『響』より

硬筆筆写 水野仙子『響』より
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著者がふと手にした手帳を気に入り、

表紙に『響』という題を記したものの、

特に書かなければならない事を持って

いるわけでもない、というくだりでの

文章です。

そしてこの文章には

「すべてを書き遺すにしてはあまりに

この思が多過ぎる・・・・・・」

と続きます。

何も書かれていない白紙は、

だからこそすべてのものを

含み得るということなのだと

解釈しますが、私の中に

響いた一文でした。

筆写文章

私の心臓のひびきがはたと絶えた時、

最もよくそのすべての意味を語る

ものは、何も書かずにのこされた

この白紙であるであらうよ!

  水野仙子『響』より