筆写 ~ 北原白秋『石竹』より

硬筆筆写 北原白秋『石竹』より
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「自堕落に二人並んで寝そべれど、」

このくだりが何だか愛らしいと思う

今回の詩です。

人の視点で詠まれたセキチクですが、

逆に、赤いセキチクたちから見ている

人間模様が描かれているようにも感じ、

短いながらも、想像すると面白い詩

でした。

筆写文章

障子閉めても、石竹の

花は出窻でまどにいと赤し、

障子閉めつつ、自堕落じだらく

二人並んで寝そべれど、

花はしみじみ、まだ赤し。

  北原白秋『石竹』より