筆写 ~ 田山花袋『田舎教師』より

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でんぼくが大学生の頃、

田山花袋(たやまかたい)の

田舎教師(いなかきょうし)を読んだ。

決して文学青年ではない。

その頃大好きだった椎名誠さんの

小説の中で、その『田舎教師』が

出てきたからだった。

そんな興味の持ち方で読んだものだから

内容は全く頭に残ってない。

筆写文章はその冒頭の一部。

それを筆写するとは、

縁はいつ巡ってくるか分からない。

筆写文章

田圃(たんぼ)にはげんげが咲き、

豪家(ごうか)の垣からは

八重桜が散りこぼれた。

赤い蹴出し(けだ(し))を出した

田舎の姐さんがおりおり通った。

  田山花袋『田舎教師』より