ピクニックの心地

お嫁さんは、ピクニックの心地よさを

でんぼくに教えてくれた。

出会った当初から、彼女はよく私を

青空食堂へと誘ってくれた。

美味しいパンやお弁当を買っていって。

張り切って準備をする必要はない。

遠出をする必要もない。

晴れた日には、散歩をかねて

近所の川べりや公園などで

お昼ご飯やおやつをいただく。

雨天の週末が続く近頃だが、

久しぶりの晴天だった先週末は

ピクニック日和だった。

近所の川べりにて

陽の光の下でさわやかな風にあたり、

ただただ、その心地よさを味わう。

カラダにもココロにもいいことづくめだ。

空を見上げれば、クジラみたいな雲が泳いでいた
セイヨウミヤコグサが彩りを豊かにしている

心地よさと言えば、今の私は、

ワクワク・ドキドキといったような、

少し興奮を覚えるような感覚を

あまり求めてはいない。

それよりも

じんわりと温かい感じ。

例えば

゛人肌のような温かさ ゛

そんな感覚に寄り添っていたい

と思っている。

熱くもなく、冷たくもなく。

体温で言うと平熱に近い感じ。

私にとって、

最も心が穏やかな状態。

最近になってそれを自覚してきた。

ピクニックはその状態をよく教えてくれる。

ムラサキツメクサのグラデーションが美しい

自然の中に生きる動植物たちを

「生存競争の激しい、厳しい環境の中で・・・」

と表現されるのを見聞きする。

しかし、散歩やピクニックの中で

目に入ってくる風景を通して、

最近の私は、そうは思わなくなった。

彼らは淡々と生きている。

逆に、

「淡々と生きるのが難しい」

というのが

私=ヒトという生き物なのかな?、と。

「淡々と」と言っても、

感情がないというのではないし、

生気がないというのでもないし、

愛がないというのでも決してない。

全体的に見て

心の起伏が少ない状態。

私にとっては、それが穏やかな状態。

その穏やかな状態が私には心地いい。

私の目には、

生きることに対して淡々と活動する

自然界の姿に、その穏やかさが映る。

張るのでもなく、緩むのでもない。

いわゆる

ON や OFF の区別もない。

自分の為す行為、活動の全てに対して

等しく平らかに、丁寧に、淡々と向き合う。

そして心穏やかに日々を過ごしたい。

きれいな綿毛 野草の名前は分からなかった