筆写 ~ 河井酔茗『老境』より

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… 力を抜く …

自分の内なる感覚なので

具体的な表現は難しいけれど、

とにかく、力を抜く。

筋肉の働きは

必要最小限に近づける。

アスリートでも同じ。

余計な力が入っていては、

逆にコントロールが効かない。

しかし大抵の場合、

コントロールを意識するほど

余計な力は入ってしまいがち。

ゆえに、力を抜くことに意識を置いて、

その意識を離さずに反復練習を行う。

… それが稽古 …

どのような事においても、

「余計な力を抜く」ということを、

再認識しなければならない。

筆写文章

吾老いぬれど

仙家に入らず

茶烟軽く

紅塵の裡(うち)に住む

柴門(さいもん)を守るは

吾家の月

竹窓に吹くは

隣家の風

  河井酔茗『老境』より