筆写 ~ 岡本かの子『新茶』より

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岡本かの子さんは

茶碗の『碗』→『椀』として

書いていらっしゃるので、

その通りに書いています。

『雫』の字なんですが、

私の所有する字典3冊の

いずれにも載っていない・・・。

あまり崩しすぎないのが

個人的に一番いいかなと、

上の形に落ち着きました。

字典も参考にしながら

どんな姿に字を仕上げようかなと

考えてみるのは、

どんな衣装を着せてみようかな、

どんなポージングをとらせて

みようかな、という感覚で、

迷いつつもおもしろいものです。

筆写文章

茶といふよりも、

若葉の雫を啜(すす)るといふ

感じである。

色がいい。

白磁の茶椀の半を満して

ゆらめく青湖の水。

  岡本かの子『新茶』より