筆写 ~ 寺田寅彦『秋の歌』より

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秋の歌というと、私にとっては

銀杏拾いもそのひとつ。

つい先日には、今シーズン初の

銀杏拾いを行いました。

台風の風で落ちたものが多く、

まだ熟れていないものは

果肉と種の分離に少し手間が

かかります。

ベランダでその作業をするものの、

部屋の中にも銀杏臭が入り込み

臭い臭いと笑うのもまた秋の歌。

取り出した種を水にさらしながら

ザルの中でガラガラガラガラと

揉み洗いし、きれいに果肉を

取り除いた種をベランダで天日干し。

きれいな白に輝く銀杏の種は

気品漂う秋の味覚です。

ほんと、秋が来たなぁ。

筆写文章

私は、森の中を縫う、

荒れ果てた小径(こみち)を、

あてもなく彷徨(さまよ)い歩く。

私と並んで、

マリアナ・ミハイロウナが

歩いている。

 寺田寅彦『秋の歌』より