筆写 ~ 海野十三『大宇宙遠征隊』より

海野十三『大宇宙遠征隊』を硬筆で筆写
この画像をクリックするとPDFファイルとして拡大表示します

※原文で平仮名の部分を

 一部漢字に書き換えています。

『惘』:ぼんやり(する)

との訓読みがあるとのことから、

ぼんやりと → 惘と

と、ここでは書してみています。

この使い方が正しいとされるか否かは

分かりませんが、こういった点について

白黒はっきりさせようとしすぎるのも、

荒涼として見える月世界のようで

なんだか寂しいではありませんか(笑)

うってかわって

地球から眺める月は

とても美しいものです。

そこには、惘とやわらかく

地球を照らしてくれる光、

そして月を眺めて

色々なことを想起させる、

なんだか惘した印象の輪郭が

そこにあるからかもしれません。

筆写文章

昼と夜としかないのが月の世界

であった。暁だの夕暮だの

ぼんやりと明るいときはない。

だから月の世界は、あれはてた

ように見える。

  海野十三『大宇宙遠征隊』より