筆写 ~ 種田山頭火『赤い壺』より

硬筆書写 種田山頭火 赤い壺
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以前に氏の表題著書の一部を

筆写した際に、今回のこの文章表現に

惹かれていました。

ここまで大げさなものではありませんが、

ここ数年、自身の書写を軸として

日々の中で意識を向けてきた感覚が

この表現に近しいものだと思われました。

「あきらめ」という言葉に対して

人によって解釈の相違があるとは

思いますが、それは決して

「自棄でもなく、盲従でもない」

という部分に氏の意図が見えます。

「魂のおちつき」を備えた書と日常、

まだまだ色々なものに翻弄され続ける

私ですが、生涯を通してそこに

向き合ってみたいものです。

筆写文章

『あきらめ』ということほど

言い易くして行い難いことは

ない。それは自棄ではない、

盲従ではない、事物の情理を

尽した後に初めて許される

『魂のおちつき』である。

  種田山頭火『赤い壺』より