筆写 ~ 野口雨情『祇園町』より

硬筆筆写 ペン字 野口雨情『祇園町』より
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風情を感じるというのは、

いったいどういう部分に

何を感じてそれを風情と

捉えるのか。

これを明確に言葉にしようと

すると、なかなか難しいなと

思うのです。

明確に言葉にできないからこそ

風情なのかも知れません。

毎度、筆写する文章を選ぶとき、

そんな風情を感じる一節に出会えたら

筆写はなおさら楽しくなってきます。

そして、できればそんな風情を

書の仕上がりにも現わすことができれば、

それこそ書の醍醐味なのでしょう。

筆写文章

友禅の赤く燃えたつ祇園町ぎおんまち

銀の糸の雨はななめに降りしきる

渋色の蛇の目の傘に降る雨も

上に下にと降り(しきる)

  野口雨情『祇園町』より