筆写 ~ 中原中也『夏と私』より

硬筆筆写 中原中也『夏と私』より
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苦しみの一種である『嘆き』から

生まれる詩に美しさを感じるとすれば、

それは『人間らしさ』に美を感じている

ということなのでしょうか。

或いは詩に自分の一部を重ねて

感傷に浸る、そんな感覚の味わいを

美と捉えているのでしょうか。

私は、もっと何も考えずに、

雀たちのように生きてみたいな、と。

そんな望みを持つゆえに、自分の中の

人間らしさに時折嘆き、疲れるような(笑)

筆写文章

真ツ白いなげかひのうちに、

海を見たり。かもめを見たり。

高きより、風のただ中に、

思い出の破片の翻転するをみたり。

  中原中也『夏と私』より