筆写 ~ 夏目漱石『夢十夜』より

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私の夢の中に出てくる人物は

私とは相性の合わない人であることが多い(笑)

相性が合わないからといって

その人を嫌いになったりはしないけれど、

頭の中で苦手意識は根付いているのだろう。

夢というのは往々にして

そういった根強い意識が現れてくる。

自分にとって都合のよろしくない物事を

強く意識してしまうのは人間の性。

だけど、

『良い』が無ければ『悪い』は生まれない。

人間(じんかん)万事 塞翁が馬

いちいち『良い』だ『悪い』だのを考えず

淡々と物事に向き合えれば

これほど心強いことはないと思う私。

筆写文章

さすがは運慶だな。

眼中に我々なしだ。

天下の英雄はただ仁王と我れと

あるのみと云う態度だ。

天晴(あっぱ)れだ。

  夏目漱石『夢十夜』より