洒落た警告

ヒトは

とにかく感情に動かされやすい生き物だ。

外界から受ける様々な情報に、

たいてい自らの感情を加味したうえで

脳内処理を行っている。

特に、注意・警告・叱責の類は、

口頭によるもの、掲示物によるものを問わず、

それを受けた側の自己防衛反応的な働きも

あって、感情をたたせやすい。

感情がたってしまうと、

時にその効果は薄れてしまったり、

嫌悪されるものとなってしまうこともある。

そこで、そういったことを回避しようと、

メッセージを心地よく受け取ってもらう

ために知恵を働かせている方も多い。

淡路島の道の駅で出会ったこの掲示物も、

そんな知恵が出されたひとつのように思う。

「盗む人は悪い!」というのは

盗まない人の最もな言い分ではあるが、

それを散々言ったところで、

ヒトや社会の性質など

根底からそう変わるものではないと思う。

ならば、せめて心地よく、あるいは面白く

訴えかけようと、どこか余裕を表現して

伝えられたこの掲示文は、

私の目にはとてもお洒落に映るのだ。